「無知の知」読書のあとで

映画「アミスタッド」の感想については、前に述べたが、その際この新書を読むと言ったところで止まっていた。

学者の書いたものだから信頼できて興味深く映画以上に面白い、失礼、負の歴史を面白いと評しては、「けしからん」と言われるやも知らぬ。しかし、今だから歴史の闇の部分と言うかも知れぬが、「それがあって今が在る」ことは、感情論よりも重いとわたしは思う。

15世紀から19世紀にかけて400年にわたりこの地図上を舞台に繰り広げられた奴隷貿易制度

その残酷さ、非情さを言うことは容易い。この奴隷船の絵を見て、大きさを具体的にイメージ出来るから、そこに300人から400人を収容した異常も分かる。

400年の間に奴隷貿易で犠牲となった黒人は1000万人。アフリカ大陸でそれだけの奴隷を調達したのは、同じ黒人だったという事実。強大な武力を持つ黒人部族、黒人国家が、周辺の部族、国家を侵略攻撃し捕虜とした黒人を、ヨーロッパ奴隷商人に売ったのだ。奴隷船で新大陸に送られた黒人奴隷が1000万人、その1000万人を調達するためアフリカ大陸の内陸で黒人同士の戦争、略奪で犠牲になった黒人は、奴隷船で移送された人数以上とも言われているとか。

この新書を読んで、多少は教科書で知っていたとしても、結局「何も知らなかったんだな」という感想。そう、まさに、「無知の知」を知ったのでした。

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