この相談者はまるで私の母のよう(後編)

まず現状をどのようにとらえるか、娘さんがなぜそのような態度をするかを考える必要がある。

離婚が原因でそうした対応をするようになったのか、あるいは元々そういう性格なり人間だったのか。

離婚後の生活環境の変化、女手ひとりで幼い子を育てることの(ジェンダーフリーをいう世になっても)厳しさ、そこから生じるストレスや日々の生活の繁雑さが余裕を失わせる、またひとり身のやるせなさもあるかも知れない。そうした生活の中のやりきれなさを肉親の母親にぶつけることはあるだろう。職場や子育ての場でやってはいけないと認識したうえで唯一許される(一種甘えとして)母親にあたっているなら、こうした突発的で一時的状況が娘さんの行動を決めているとしたなら母親としてはそれも止む無し覚悟を決めて、子供(孫)が一定の成長過程を経るまで協力体制を維持し全面的に支援すべきである。

一方、40年以上人生を歩めばある程度人間性が出来上がる。幼い頃の生育環境、教育環境、社会に出れば職場環境などが個人の人格を形成する。既に娘さんの人格はほぼ完成されたと考えるべきではないだろうか。そうだとすれば現状のままでは周りの人間の言質でその行動が変わるとは考えられない。そうした人間性形成の重要部分を担ってきた親として我が子(娘)を認めるべきだ。少々の忠言忠告で我が子を変えることができないとあきらめるべきではないか。そのうえで娘の子供(あなたの孫)がこうした状況下でも健やかに育つことが大事であることに違いはないのだから一定の成長過程を経るまでいまの協力体制を維持し全面的に支援すべきである。

結局、結論は同じになるがいずれにしても肉親のあいだの出来事もめごとゴタゴタ、さらに拡大して社会の有り様についても何か倫理的に道徳的に理性的に割り切って決められることばかりではないように思う。

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